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2006年10月25日

体験ブログ:未来のパーソナルビークルi-unit

先日、トヨタ自動車本社近くのトヨタ会館というところでコンセプトカー(しかしちゃんと動く)のi-unitに乗せていただきました。
僕たちの研究を知る人が担当者の方に紹介してくれたのです。

おかげでとても面白い体験ができましたので、このビデオブログでご紹介します。

Segwayの新型が日本でも発売されるようになったこともあり、個人用の電動の乗り物はこれから徐々にあたりまえのものになっていくのではないかと思っています。

このビデオとは直接関係がありませんが、僕たちの開発した知的移動体ATの一般向けデモを今週の金曜日(10/27)に名古屋大学で行います。
このデモは、テクノフェア名大2006というイベントの中で行われます。
是非、ATを体験しにいらしてください。

さて、これから「i-unitに乗って」というビデオをご紹介します。
ちなみに、このタイトルは、往年の名曲「カローラIIに乗って」にかけています。

i-unitに乗って : 00:04 - 00:06
ここはトヨタ自動車本社隣にある一般向け施設のトヨタ会館というところです。

i-unitに乗って : 00:56 - 00:58
i-unitは電動モーターによる4輪駆動の乗り物です。
ただし、向きを変えられるのは一般の車と同様に前輪だけで、後輪は操舵できません。

i-unitに乗って : 01:36 - 01:38
片手のみで操縦できるインタフェースです。
面白いデザインですね。

i-unitに乗って : 01:56 - 02:12 i-unitに乗って : 01:56 - 02:12 i-unitに乗って : 01:56 - 02:12
右脇のボタンを押すと変形して、低速移動モードから高速移動モードに変わります。
もう一度押すと、逆の変形をします。

i-unitに乗って : 02:44 - 02:54 i-unitに乗って : 02:44 - 02:54
上のフードというかキャノピー(透過型情報ディスプレイにする予定だったらしい)を降ろすと、連動して左手近くのオーディオインタフェースがせり上がってきます。

i-unitに乗って : 03:34 - 03:46 i-unitに乗って : 03:34 - 03:46 i-unitに乗って : 03:34 - 03:46
左右に回転させると前輪の角度が変わり、下に倒すと速度が調節できる操縦インタフェースです。

i-unitに乗って : 04:00 - 04:26 i-unitに乗って : 04:00 - 04:26 i-unitに乗って : 04:00 - 04:26
後ろのカメラで人や物の接近を検知すると光と音で知らせます。
乗っていると音だけでしか分かりませんが。

i-unitに乗って : 04:28 - 04:56 i-unitに乗って : 04:28 - 04:56
いわゆるハプティックデバイスで、振動で手にフィードバックするオーディオコントローラです。
iPodのクリックホイールのように、ボリュームの調整や選曲ができます。

i-unitに乗って : 04:56 - 05:20 i-unitに乗って : 04:56 - 05:20
いよいよ走行開始です。
ここまでずいぶん引っ張ってしまいました^^;;

i-unitに乗って : 05:42 - 06:10 i-unitに乗って : 05:42 - 06:10 i-unitに乗って : 05:42 - 06:10
その場回転はホイールベースの関係で、低速移動モードでしかできないようです。
くるくる回るティーカップみたいで楽しかったです。

i-unitに乗って : 06:24 - 06:40 i-unitに乗って : 06:24 - 06:40
変形過程を後ろから見てください。

i-unitに乗って : 06:42 - 07:00 i-unitに乗って : 06:42 - 07:00
高速移動モードで回転すると内側のLEDがウィンカーのように点滅します。

i-unitに乗って : 07:14 - 07:24 i-unitに乗って : 07:14 - 07:24
また、停止すると後方のLEDがテールランプのように赤く光ります。

i-unitに乗って : 08:00 - 08:06 i-unitに乗って : 08:00 - 08:06
正面はかなり無防備のようです。
これは、何か飛んできたら確実に怪我しますね。

i-unitに乗って : 08:16 - 08:28 i-unitに乗って : 08:16 - 08:28
再び変形です。
乗り物が変形するのは、ロマンを感じますね。

i-unitに乗って : 11:06 - 11:08
i-swing、次はこれに乗りたい。

i-unitに乗って : 11:10 - 11:22 i-unitに乗って : 11:10 - 11:22
i-swingは正面に不思議なディスプレイがあって、動く看板みたいな感じです。
しかし、この蟻は何か変ですね。

投稿者 nagao : 00:24 | コメント (264) | トラックバック

2006年10月15日

yosemite: HowTo型コンテンツのコライティングツール

ちょっと間があいてしまいましたが、IPA未踏ソフトウェア創造事業の成果の紹介の続きです。
今回は(おそらく次回も)「なんでこれを採択したのか?」あるいは「これのどこが未踏ソフト?」といったクレームがたくさんあるのではないかと思います(真摯に受け止めたいと思いますので、好きなようにコメントしてください)。
僕の判断では、プロジェクトの企画そのものは悪くなかったのですが、開発者が本質的な部分を見誤ってしまい、やるべきことをやらなかったためにろくな成果が出なかったということです。

Wikipediaのような、オンラインで不特定多数の人間が協同執筆できる事典が現れたこともあって、コミュニティによる協同コンテンツ制作という考えは一般的なものになりつつあると思います(そもそもWikiはそういう思想で設計されたツールですし)。
ただし、事典のようなそれぞれの項目がある程度独立しているものならともかく、テキストブックのような比較的長い内容を、一貫性を持って不特定多数の人間が執筆するのは困難でしょう。

それに対して、「○○をやるにはどうしたらいいか」というHowToの形式にして、学習者の疑問に答える形で、複数人でコンテンツを充実させていく手法を提案し、そのためのシステムの開発を目指そうとしたのが、これから紹介するプロジェクトです。

ただ、いつまでたってもまともなプロトタイプができてこないので、途中からおかしいなと思い始めました。
一般の企業のソフトウェア開発プロジェクトのリーダーは、おそらく僕より優秀なのだと思いますが、それでもスケジュール通りにものができてこないときは、プロジェクトの見直しを行うと思います。
僕が未踏ソフトウェアのプロジェクトマネージャをやっていてとても残念だったのは、僕が何を言っても聞く耳を持たずに勝手なことをやり続ける(その結果、ろくなものができてこない)開発者がたまにいたということです。

コンセプトが明確で、やるべきこともだいたいわかっているはずなのに実装がなかなか進まないのは、開発者のプログラミングスキルが乏しかったためだと思われます。
そのため、ここで紹介するyosemiteというシステムも結局どこがすごいのかよくわからないものに仕上がっています。

本来は、最も基本的なツールを公開して、ユーザーからのフィードバックに応じて機能を拡張していくべきだったと思います。
このプロジェクトのように、基本的に不特定多数の参加者を前提としたシステムは、独りよがりなものを作って悦に浸っていないで、早く実装して早く公開して、必要に応じてブラッシュアップを繰り返していくべきものだと思います。

その点、Wikiはとてもよくできていると思います。
yosemiteとWikiの違いは、オーサリングするコンテンツの性質に依存した型がツール内に埋め込まれているか、いないか、ということです。
型が埋め込まれている方が不便だ、という人がいるかも知れませんが、それが非常によくできた型ならばそれに従った方が効率的によいコンテンツが制作できる場合があります。
たとえば、メールは宛名(アドレス)を書く欄とサブジェクトを書く欄と本文を書く欄がちゃんと分かれているから、自然に欄を選んでそこに書くべき内容を書くようになっています。
だから、本文中にサブジェクトや相手のメールアドレスを書く必要はありません。
ただし、本文の書き出しは相手の名前を書き、それに続いて自分の名前を書くのがマナーとして正しいと思いますが、そのような型は埋め込まれていないので、いきなり用件から始まるような失礼なメールも多くなっています。
さらに言えば、メールの引用は本文以下にまるっと全部引用するのではなく、返信する内容に関係した箇所の部分引用とその直後に自分の用件を書くというやり方がよいと思っています(これには異論のある人も多いですが、僕はこのやり方が正しいと思っています)。

では、HowTo型のコンテンツはどんな型を当てはめるのが適切なのでしょうか。
yosemiteの開発者は、まず目標や願望を書く(タバコをやめる、など)、そして現状の問題点というか状態を書く(体調が悪い、歯が汚い、周囲の人に嫌がられる、お金がかかる、など)、次に期待される効果を書く(体調が良くなる、歯がきれいになる、周囲の人に嫌がられない、お金が節約できる、など)というところから始めて、手順を箇条書きにしていく、という型を提案しています。
手順もさらに細分化でき、その手順の目標や効果、他のHowToの引用などを含むことができるようです。

これから、yosemiteというHowTo型コンテンツのオーサリングシステムについてご紹介します。

yosemiteの使い方 : 00:04 - 00:12 yosemiteの使い方 : 00:04 - 00:12
まず、コンテンツを新規作成するときは、この画面で行います。
ここでは、「ダイエットする」というタイトルで作成しています。

yosemiteの使い方 : 00:20 - 00:28 yosemiteの使い方 : 00:20 - 00:28
なぜか、検索モード(オーサリングモード以外のモード)に移行して、先ほど作った「ダイエットする」というコンテンツを選択しています。
多分、これはデータベースに登録されたことを確認するためにやっているのだと思います(つまり、確認する必要のないときはやらなくてよいこと)。

yosemiteの使い方 : 01:58 - 02:04 yosemiteの使い方 : 01:58 - 02:04
目標や手順を一通り入力したら、これまたなぜかブラウザの更新ボタンをクリックして検索モードに移行しています。
これは協同著作物であるためやむを得ないことなのでしょうか。

yosemiteの使い方 : 02:06 - 02:29 yosemiteの使い方 : 02:06 - 02:29
ここでは、画像のアップロードの仕方を説明しています。
何の変哲もないやり方ですね。

yosemiteの使い方 : 02:39 - 02:57 yosemiteの使い方 : 02:39 - 02:57
複雑な手順は階層構造を成しているので、各手順の先頭にある「開閉」と書かれたボタンを押すと、より階層の深い内容を見ることができるようです。

yosemiteの使い方 : 02:57 - 03:09 yosemiteの使い方 : 02:57 - 03:09
再び検索ウィンドウを用いて、他のコンテンツを探しています。

yosemiteの使い方 : 03:09 - 03:45 yosemiteの使い方 : 03:09 - 03:45
ここでは、「部屋をかたづける方法」を選択しています。
当然、他の人の書いたコンテンツに内容を追加することもできます。

投稿者 nagao : 15:11 | トラックバック

2006年10月10日

からくりブロック:実世界の文脈を取り入れたデジタルコンテンツ

今回もIPA未踏ソフトウェア創造事業の成果についてご紹介します。
今回のものには、「面白い」という意見の人と「何これ」という意見の人に大きく分かれるような気がします。
このプロジェクトを採択したのは、僕の中で「すごく面白くなりそうな予感」がしたからなのですが、できたものを見るとちょっと「?」な気持ちになってしまいました(やっぱり、開発期間が短すぎますよ、IPAさん)。

物理的なオブジェクトを操作する(置いたり、くっつけたり、傾けたりする)ことで、情報処理が連動し、文脈と関連したコンテンツを表示するシステムは、これまでにも数多く提案されてきました。
ただし、それらのほとんどが、ディスプレイ装置が埋め込まれたテーブルの上でのみ操作可能なものでした。

ここで紹介する「からくりブロック」は、その点を改善し、物理オブジェクト自身が表示機能を持ち、場は位置関係などの文脈情報しか持たないで、オブジェクト間の相対的な関係で表示内容を変化させる、という新しい手法を実現したものです。
そして、からくりブロックのためのコンテンツのオーサリング環境の開発も同時に行われています。

これからご紹介するビデオでは、からくりブロックの利用例が示されており、オーサリング環境の説明は一切ありませんが、僕がこのプロジェクトを採択した条件は、まさにそのオーサリング環境を開発して公開することでした。
現時点では、そのオーサリング環境はオープンにできる状況ではないようですが、近いうちに必ず公開してもらえるものと信じています。

KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 00:00 - 00:02
からくりブロックという名前はなかなかよいと思います。
似たような名前に、でこぼこフレンズというのがありますね(まったく関係ありませんが)。

KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 00:04 - 00:42 KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 00:04 - 00:42
からくりブロックは、PCにFlashコンテンツを動的にダウンロードして表示する仕組みになっています。
将来的にはケータイでも動くようになると思います。
複数のブロック(この場合はSonyの旧型のVAIO type U)を並べて置くと、P2Pの仕組みで通信が行われ、それぞれのディスプレイに表示される映像をつなげて1つの映像として見ることができるようです。

KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 00:42 - 01:24 KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 00:42 - 01:24
現在では、PCそのものに内蔵された機能でその物理的位置を知る方法がないので、場の方にセンサーを持たせてPC側にRFIDを装着して、その位置情報を管理するというやり方を採用しています。
僕は、赤外線を使って近くにあるデバイスのIDを送り合うような仕組みにするとよいと言ったのですが、結局実装されませんでした。
センサー(LANに接続できるRFIDリーダー)のある場にPCを配置するとディスプレイに映像が映ります。
別のPCを隣(の場)に置くと2つのPCのディスプレイの映像が連動する仕組みになっています。

KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 01:26 - 01:36
また、ディスプレイを配置する位置関係を変えることによって、コンテンツを変化させることもできるようです。

KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 01:36 - 02:16 KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 01:36 - 02:16 KARAKURI BLOCK Player for からくりブロック : 01:36 - 02:16
もちろん、3台以上のPCを並べてコンテンツを連動させて見ることもできます。
この例では、4つのPCを並べて配置しています。
こうなると単なるノートPCが並んでいるだけで、ブロックぽく見えないのが残念ですね。

投稿者 nagao : 00:04 | トラックバック

2006年10月09日

Soya: メタデータを柔軟に扱う仕組み

IPA未踏ソフトウェア創造事業で僕が採択したプロジェクトの成果に関するビデオブログの3つ目です(もちろんご存知だと思いますが、以下のサムネイルをクリックするとビデオサイトに移動して該当するシーンを閲覧できるようになっています)。

任意のコンテンツにメタデータ(つまりデータに関するデータ)を付与して検索や分類等に用いることは、最近ではあたりまえのことになっています。
たとえば、ブログエントリーやイメージやビデオにタグを付けて分類・整理するというのも、メタデータによるコンテンツ管理の一種です。
しかし、以前に設計したメタデータに新しい属性やデータ構造を追加したいと思うこともあるでしょう。
たとえば、以前に付けたタグに多義性があることがわかったとき(たとえば、SBっていったら何を想像しますか)、どちらの意味なのかはっきりさせたいことがあるでしょう。
その場合、タグはそのままにして、補足属性としてその多義性を解消する新たなタグ(あるいはカテゴリー)を加えておきたいと思うでしょう。
そういうことをやりたくなったときに、メタデータをもっと柔軟に拡張する仕組みがあると便利だと思います。
また、あるサイトのコンテンツに付けたタグと別のサイトのコンテンツに付けたタグが同じものの一覧を作りたいと思ったときに、同じプログラム(スクリプト)をそれぞれのサイトに適用して処理できれば作業も楽になるでしょう。

それらのことを解決するための仕組みが、ここで紹介するSoyaと呼ばれるメタデータプラットフォームです。
ここでは、メタデータの記述形式としてRDF (Resource Description Framework)と呼ばれるものを採用しています。
RDFは一般的なグラフ構造を表現する形式なのでメタデータを柔軟に拡張するには比較的適しています(オーバースペックだという意見もあるようですが)。

では、Soyaの利用例を示すビデオについてご紹介します。
このビデオでは、前半にスライドを使ったシステムの概要説明、後半にデモ映像が収録されています。
ここでは、デモの内容について説明します。

知識情報共有プラットフォームSoya : 01:56 - 02:05
Soyaを使って、Webページにタグを付けて検索可能にするシステムが簡単に作れます、というデモです。
Webプログラミングに慣れていないと、この先は見てもよくわからないかも知れません。

知識情報共有プラットフォームSoya : 02:05 - 02:27 知識情報共有プラットフォームSoya : 02:05 - 02:27 知識情報共有プラットフォームSoya : 02:05 - 02:27
メタデータを使ってやりたいことに関連するBean(プログラムとデータ構造を一緒にした再利用可能なコード)を検索します。
検索するときに名前をコンプリーションしてくれるのが便利ですね。

知識情報共有プラットフォームSoya : 02:27 - 02:55 知識情報共有プラットフォームSoya : 02:27 - 02:55
メタデータを処理するモジュールを、先ほど検索したBeanを使って作成します。
ここではタグとそれを付けたWebページ(のURL)をデータベースに保存して呼び出せるようにするプログラムを作成しようとしています。

知識情報共有プラットフォームSoya : 02:55 - 04:07 知識情報共有プラットフォームSoya : 02:55 - 04:07
モジュールのソースコードをサーバー上で(つまりWebブラウザを使って)編集します。
ここでもクラス名やメソッド名がコンプリーションしてくれるのがよいですね。
ちなみに、プログラミング言語はPHPです。

知識情報共有プラットフォームSoya : 04:07 - 04:29 知識情報共有プラットフォームSoya : 04:07 - 04:29
プログラムのテストもサーバー上で行えます。
こういう仕組みはクイックにコードを書いて動作を確認できるのでとても便利ですね。
クイックに実装・運用できることをアジャイルっていうんでしたっけ。

知識情報共有プラットフォームSoya : 04:29 - 04:53 知識情報共有プラットフォームSoya : 04:29 - 04:53
作ったモジュールを利用するアプリケーションを作成します。
要するに、Webページ(のURL)にタグを関連付けて保存するモジュールができたので、Webブラウザからそのモジュールを呼び出して利用するプログラムを書いてみようということです。

知識情報共有プラットフォームSoya : 04:53 - 05:59
先ほど作成したモジュールを利用するJavaScriptを書きます。
RDFをよく知らなくてもそのデータを利用するコードが書けるのは助かりますね。

知識情報共有プラットフォームSoya : 06:01 - 06:22 知識情報共有プラットフォームSoya : 06:01 - 06:22
さて、完成したアプリケーション(JavaScript+PHPモジュール)を動かしてみます。
あるページにタグを付けてみようということです。

知識情報共有プラットフォームSoya : 06:22 - 06:40 知識情報共有プラットフォームSoya : 06:22 - 06:40
ちゃんと保存されているか確認します。
タグで検索してみたら、先ほどのページのURLが出力されました。
まあ、この例の処理は非常に単純なものなのでありがたみがわかりにくいですが、プラットフォームがあるおかげで実装がかなり楽になるということが言いたいわけです。
複数のサイトや異種コンテンツにまたがるようなアプリケーションを開発するのも容易でしょう。

知識情報共有プラットフォームSoya : 06:46 - 06:49
Soyaに関する詳細は、ここをご覧ください。

投稿者 nagao : 01:27 | コメント (254) | トラックバック

2006年10月07日

DashSearch: Dashboard Widgetの新しい使い方

前回に引き続き、今回もIPA未踏ソフトウェア創造事業で僕が採択したプロジェクトの成果をご紹介します。

以前にもこのブログで触れましたが、Mac OS X Tiger/LeopardのDashboardは、デスクトップをフォアグラウンドとバックグラウンドに明確に分け、仕事のやり方にメリハリをつけることができるものです。
たとえば、何か調べものをしたりアクセサリソフトを動かしたりするときはバックグラウンドで、文章やプログラムを書いたりプレゼンテーションの準備をするときはフォアグラウンドで行うのがよいだろうということです。

バックグラウンドの機能の一つとして、フォアグラウンドの作業内容を暗黙的に記録し再現可能にするというものが考えられます。
また、バックグラウンドでの作業はフォアグラウンドの仕事の内容に関する属性としても機能します。
たとえば、文書作成中に何らかの調べもの(辞書等の検索)を行ったならば、その検索キーワードはそのときの仕事の内容を想起する有用な手がかりになるでしょう。
また、バックグラウンドはフォアグラウンドに比べてはるかにマルチタスクなので、同時に行っているさまざまな小さい仕事が存在します。
たとえば、英和辞書と国語辞書、Webあるいはデスクトップ検索、メモ、スケジュール管理、さらには、作業しながら聞いている音楽プレイヤの操作(曲を選んだり歌詞を閲覧したり)なども同時に行われているでしょう。
それらのバックグラウンドタスクをすべて仕事の内容あるいは状況と関連付けて、記憶の想起(つまり検索)に役立たせることができると思われます。
これを(バックグラウンドの)環境(に基づく)検索と呼びます。
ここで紹介するDashSearchは、この環境検索のための一つのツールです。

これから、「DashSearch~Widgetが連携するとわりと楽しくなるよ~」というビデオを紹介します。
このビデオには音が含まれていないのと、スクリーン上の文字が小さすぎて読めないという問題がありますが、このシステムの雰囲気は十分に伝わるものになっていると思います。

DashSearch : 00:02 - 00:04
実はDashSearchという名前はすでに他のところで使われているようです。
しかし、覚えやすくてなかなかよい名前ですね。

DashSearch : 00:04 - 01:20 DashSearch : 00:04 - 01:20 DashSearch : 00:04 - 01:20
Spotlight Widgetを使ったファイル検索の例です。
さらに、カレンダーWidgetを使って作成日の指定をして(たとえば、24日から26日までに作られたファイルという具合に)、候補を絞り込むことができるようです。
このとき、カレンダーWidgetで条件を設定後に、Spotlight Widgetに重ね合わせるという操作をします。
これは後述するWidgetの連携と同じ仕組みです。
また、同じカレンダーWidgetを使って、選択したファイルの作成日を確認することもできるようです。
DashSearchで利用可能なWidgetは既存のものに少し手を加えなければならないようですが、Widgetにはソースコードが含まれているので(プラグインは除く)、比較的簡単にDashSearch用に拡張することができるでしょう。

DashSearch : 01:42 - 01:54 DashSearch : 01:42 - 01:54
通常のデスクトップだと、ファイルを確認しながら開くときにウィンドウをいちいちよけるのが面倒くさいので、何とかしようということのようです。

DashSearch : 02:02 - 02:16 DashSearch : 02:02 - 02:16 DashSearch : 02:02 - 02:16
DashSearchだと、Dashboardが半透明でフォアグラウンドと重ねられている特性を活かして、Dashboard上のファイルアイコンをクリックして表示されるファイルの内容を確認しつつ、ウィンドウをよけずに連続でクリックできる、という点を強調しています。
まあ、もっともな機能ですね。

DashSearch : 02:23 - 02:29 DashSearch : 02:23 - 02:29 DashSearch : 02:23 - 02:29
ファイルアイコンがごちゃごちゃしてきたら、簡単に非表示に切り替えられるようです。

DashSearch : 02:35 - 02:59 DashSearch : 02:35 - 02:59 DashSearch : 02:35 - 02:59
Widgetの連携による連続的な処理の例です。
2つのWidgetをくっつけると、テキスト情報およびメタデータが伝達される仕組みになっています。
Widget内の任意の文字列を選択して、別のWidgetにくっつけるとその文字列で検索することもできるようです。

DashSearch : 03:07 - 03:23 DashSearch : 03:07 - 03:23
連続的な検索の例その1。
Widgetをくっつけたままで、複数箇所を連続的に選択して検索できるようになっています。

DashSearch : 03:36 - 03:50 DashSearch : 03:36 - 03:50 DashSearch : 03:36 - 03:50
連続的な検索の例その2。
フォアグラウンドのウィンドウ上で調べたい文字列を選択してDashboardに移行すると、Widgetにコピーされ検索に利用可能になるようです。

DashSearch : 03:50 - 04:02 DashSearch : 03:50 - 04:02
文字列のコピペWidgetを辞書Widgetにくっつけたままにしておくと、Dashboardに移行するたびにフォアグラウンドで選択した単語を調べることができるようです。

投稿者 nagao : 09:17 | トラックバック

2006年10月06日

Willustrator: 絵(イラスト)のオープンソース化

僕は、IPA未踏ソフトウェア創造事業のプロジェクトマネージャを2年間やりました。
僕が採択したプロジェクトの成果の一部をこれからビデオブログで紹介していきたいと思います。

Web上で絵を共有するこれまでの仕組みは、あくまで画像としての絵を共有するものでした。
しかし、もし絵を書く過程や絵の構成要素なども共有できれば、その絵をよく知り利用するためには非常に有益でしょう。
つまり、完成形(プログラムの場合は実行形式)だけでなく作成手順や構成要素(プログラムの場合はソースコード)を共有する仕組みがあるととても便利だと思われます。
このような仕組みによって絵に関わるデータを共有することを「絵のオープンソース化」と言います。

この「絵のオープンソース化」を提唱した開発者が、そのアイディアを具体化したものが、ここで紹介するWillustratorです。
このシステムの基本は、名前からも推察できるように、Webブラウザ上で利用可能なドローツールです。
マウス等でフリーハンドで書いたベジェ曲線をうまく処理する工夫などが盛りこめられていて、なかなか使い勝手がよいです。

特に興味深い機能は、ある絵を元にして別の絵を派生させることが簡単にできることです。
これは、ドローツールだから当然のことかも知れませんが、ネット上でいろいろな人の描いた絵をいろいろいじりながら自分なりの絵を仕上げていくことができます。
このような仕事の仕方を一般にブリコラージュ(bricolage)と呼びます。
ブリコラージュは手元にある資源や道具を使って現在の目的に合うように作り変えていくことですが、こういうことが簡単にできるかどうかが創作意欲に大きく影響を与えると思われます。

Willustratorでは、絵の派生の様子は、簡単な系統図として見ることができ、自分の作成した絵がどのように変化していったかを確認することもできます。
このように自分の作品が自分の手を離れて成長していくさまが見られるのもとても面白いことでしょう。

これから、Willustratorの使い方の説明ビデオについて紹介します。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 00:00 - 00:03
「ソーシャルなドローツール」というコピーはなかなかいいですが、Willustratorというネーミングはもうひとひねり欲しかったですね。
Illustratorがあまりにも有名なソフトなので、WebのWを頭に付けただけではちょっとインパクトが弱いような気がします。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 00:07 - 00:29 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 00:07 - 00:29 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 00:07 - 00:29
WillustratorへのログインはSynvieと同様、はてなの認証APIを使っていますので、はてなのユーザー名とパスワードを入力する必要があります。
ログインすると、自分のホーム(自分の絵の一覧)へ行きます。
そして、画面の上の方にあるCreate New Imageというボタンを押して新しい絵を作成します。
このあたりはシンプルでいいですが、ソーシャルなツールというくらいなのだから、他の人がどんな絵を書いているのか、最近の状況がすぐわかるようになっているともっとよいと思います。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 00:35 - 01:24 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 00:35 - 01:24 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 00:35 - 01:24
最もよく使うと思われる四角ツールですが、よくできています。
画面の右側のプロパティパネル(これは編集対象を選択すると表示されます)を使って図形の色を変えたり、線の色や太さを変えられるというのは割と普通ですが、図形をダブルクリックすると中にテキストを書けるようになるというのはよいアイディアだと思います。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 01:31 - 01:41 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 01:31 - 01:41
それに、Ctrlキーを押しながらドラッグすると図形をコピーできるというのもなかなか新しいと思います。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 01:41 - 02:06 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 01:41 - 02:06
さらに、プロパティの選択で四角を丸に簡単に変更できるというのも(よく使うかどうかはわかりませんが)よいですね。
もちろん、初めから丸(楕円)を書きたい場合もあるでしょうから、当然それもサポートされています。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 02:17 - 02:38 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 02:17 - 02:38
より画期的なのがこのポリゴンツールです。
すでに描いた図形の任意の線上でaを押しながらクリックすると頂点を追加できるようになっています。
このビデオのようにシンプルな図形を加工して複雑なものにするのに有効でしょう。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 03:20 - 03:40 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 03:20 - 03:40
ベジェ曲線の処理もよくできています。
点を選択して、ハンドルと呼ばれるベジェ曲線をコントロールする点をドラッグするとハンドルが伸び、曲率が変えられるようになります。
また、Ctrlを押しながらハンドルを動かすと反対側のハンドルも対称に動くのでなめらかな線になるようです。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 03:50 - 03:58 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 03:50 - 03:58
Ctrlを押さずにハンドルを動かすと折れた線になるようです。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 04:03 - 05:02 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 04:03 - 05:02
グリッドを表示して、厳密な図を描くこともできるようになっています。
キャンバスのグリッド設定をオンにするとグリッド線にスナッピングするようになります。
このビデオのように対称なハートマークも簡単に描けるようです。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 05:15 - 05:30 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 05:15 - 05:30
フリーハンドで線を描いても、ちゃんとベジェ曲線になるので描いた後でも簡単に編集できるようです。
このへんもよくできています。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 06:10 - 06:35 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 06:10 - 06:35
当然の機能ですが、細かい部分の編集のためにキャンバスを拡大できるようです。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 06:59 - 07:37 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 06:59 - 07:37 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 06:59 - 07:37
絵の任意のパーツがアクセス可能なことから、部分的なコピー&ペーストで絵が描けるのはありがたいことです。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 07:47 - 08:34 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 07:47 - 08:34 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 07:47 - 08:34
当然、描いた絵を他のWebツールで使えるようになっています。
たとえば、このビデオでは自分のブログに絵を貼り付ける例を紹介しています。
Synvieと同様、HTMLのソースが生成されるのでそれをコピペすればよいようです。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 08:38 - 09:01 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 08:38 - 09:01 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 08:38 - 09:01
絵の派生は、自分や他人が描いた絵をまるまるコピーしてさらなる工夫を凝らしていくことによって行われます。
派生によって作られた絵をリンクで辿って見たり、元になった絵を辿って見たりもできるようです。
このあたりがソーシャルなツールであるゆえんでしょう。
絵を派生して新しい絵を描くには絵の下にあるCopyボタンを押すと、その絵がコピーされ編集できるようになるようです。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 09:09 - 09:32 Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 09:09 - 09:32
ここでは、コピーした絵に色を塗って別の絵にするという例を紹介しています。

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WillustratorはAll Rights ReservedならぬSome Rights Reservedで知られるCreative Commonsのライセンスの仕組みを取り入れています。
ライセンスの条件は次の2つに固定されているようです。
(1)帰属(Attribution):クレジットさえつければ自由に派生できる
(2)同一条件許諾(Share Alike):派生した絵も同じライセンスになる

つまり、Willustratorでは、クレジットを明記し同一条件で配布する場合に限り、自由に派生した作品を作ることができるようにしているのだそうです。

ちなみに、絵の下にはライセンスロゴとクレジット(原作者や改変者の名前)が自動で入ります。
また、Creative Commonsライセンスロゴをクリックするとライセンスの詳細を見ることができます。

Web上で使えるソーシャルなドローツール - Willustrator - の使い方 : 10:11 - 10:14
Willustratorのサイトはここです。
サイトデザインはかなりそっけないですが、下手にごてごてしているよりはだいぶマシでしょう。

投稿者 nagao : 02:06 | コメント (388) | トラックバック